米田知子の写真展 “暗なきところで逢えれば”
Posted on 2013.7.26
written by Art

「サハリン島」より  帝政ロシア時代、囚人が掘ったトンネルの入口、”3人兄弟の岩”をながめて 2012年 作家蔵

日本を代表する写真家の一人である米田知子氏の個展「暗なきところで逢えれば」が、現在東京都写真美術館にて開催中です。

米田氏の作品は“記録”という写真の根本的な役割をベースにしながら、現実に見えているものだけではなく、そこにある記憶や歴史を背景に投影しています。今回の個展では、映像を含む新作シリーズと、近年の作品より、日本やアジアの近代化における記憶や歴史をテーマにしたものを中心に構成しました。いま存在する風景や建物に、過去にどのような出来事が起こったのか。写真を見る側はその事実を知った途端に、見えているイメージが別のものに見えてくる錯覚を覚えます。米田氏の作品は写真というメディアの持つ特質を最大限に生かしながら、鑑賞する側に見えているものの本質を、あらためて問いかけているのです。

      「サハリン島」より 北緯50度、旧国境 2012年 作家蔵

米田氏の初期作品の多くはヨーロッパを題材にしていましたが、近年は、台湾や韓国などアジアを捉えたもの、特に日本の近代化にかかわる地域をモチーフにした作品が増えています。20年以上海外で生活し、日本人としてのアイデンティティを強く意識している米田氏に、2011年の東日本大震災は大きな影響を与えました。今回の展覧会を通して、現在の米田氏の作品から何が見えているのか、見えていないものから何を受け取るべきなのかを体感してみてください。


「Scene」より 道-サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道 2003年

◆米田知子(よねだ ともこ)
1991年 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)修士課程修了
2001年 「手探りのキッス 日本の現代写真」東京都写真美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
2005年 個展「記憶と不確実さの彼方」資生堂ギャラリー/東京
2007年 第52回ヴィネチア・ビエンナーレ(イタリア館およびアルセナーレ)
2008年 個展「米田知子展―終わりは始まり」原美術館/東京
第13回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2008
2012年 キエフ・ビエンナーレ

●展覧会名 米田知子 暗なきところで逢えれば
Yoneda Tomoko We shall meet in the place where there is no darkness
開催期間 2013年7月20日(土)~9月23日(月・祝)
会場 東京都写真美術館2階展示室
開館時間 10:00~18:00(木・金は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
観覧料 一般700(560)円 学生600(480)円 中高生・65 歳以上500(400)円

●関連イベント
■作家とゲストによる対談
7月20日(土)15:00~16:30 ゲスト:片岡真実(森美術館 チーフ・キュレーター)
7月27日(土)15:00~16:30 ゲスト:半藤一利(小説家)
■担当学芸員によるフロアレクチャー 会期中の第1・3金曜日

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