東京×妄想 ver.23時37分
Posted on 2012.11.19
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某設計事務所に勤め始めて1年半。
あまり家に帰れず、朝から深夜まで働くことが多い。
食事は所内か、近くのコンビニで済ますことが多く、近所のおいしいお店を聞かれても「知らないです。ラーメン屋くらいならわかります。」と答える。
パーティーにだって行きたいし、展示会も行きたい。クラブだって行きたいし、デートだってしたい、でも忙しくてなかなか行けない。
東京に事務所がありながらも、外部と接点の普通より少ない僕の生活。
そんな中で、僕に東京の日常を想像させてくれる一つが、ガラス越しに歩く彼女達。

僕の勤めている事務所は、幅10m、高さ3mというガラス面で道路と仕切られていて、外から丸見えのまま仕事している。
もちろんこっちからも、丸見えなので、僕は道路に向かって仕事をする。
パソコンから少し目をそらせば、そこには10mx3mの大スクリーン。その中を様々な登場人物が右から左へ、左から右へ通り過ぎていく。
男の性か、老若男女様々な人が通り過ぎていくけれど、やっぱり見てしまうのはかわいい女の子。。。いいじゃないですか。それくらい。
朝は通勤中のOLや通学中の女子高生。昼前にはアパレル系の販売員なのかオシャレな女の子がオシャレ自転車で通り過ぎる。12時を超えると赤ちゃん連れの奥様が多くなり、夕方には下校中の女子高生再び登場。小学生は別に興味ない。
18時過ぎからは疲れたOLがスーパーの袋を持って通りすぎる。スーツ姿の彼氏とワイン片手に手をつないで帰る子は悔しいので見ないことにする。21時を過ぎると軽く酔っぱらったお姉ちゃん達がポツポツと帰路についているのが見える。逆にお水系のお姐さんはOL達とは逆方向に化粧ばっちりで、セクシーなカッコで通り過ぎていく。いってらっしゃい。0時を過ぎれば終電までしっかりと働いたえらい女の子。聞こえないけどかわいい子には「お疲れ様。」と言ってみる。逆にベロベロの女の子もいて、時々手を振ってきたりするからドキドキしてしまう。そのまま朝まで働いてる時には、お水系のお姉さんの帰宅に遭遇することもある。疲れてるのにタクシー使わないでえらいなと感心してしまう。

歩きで12秒。自転車で7秒。
そんなスピードでガラスの向こう側を通り過ぎていく彼女達を見ながら、僕は妄想する。

23時37分
白いTシャツにグレーのカーディガン。
黒いショートパンツに、黒いレギンスで、髪はボブより少し長く、微妙に茶色く染まっている、顔は大人っぽく、歳は20代後半と思われる女の子。
自転車に乗って駅の方へ向かっていく。今日は晴れているはずなのに、傘を持っていた。
調べてみると明日は曇りのち雨。
雨なのは午後からだから、きっと明日の夜まで帰ってこないつもりだろう。
かさばる傘を持ったまま、自転車ではそう遠くまでは行かないだろうから、きっと駅までだ。
この時間に駅に着いても行ける範囲はそんなに広くない。自転車で行くには遠く、電車でまだ行ける場所。
暑さが続くここ最近。カーディガンを着ていたのが気になった。きっと行き先はクーラーのガンガン効いてる場所だ。
クラブだとしたら傘はロッカーに入れにくいし持ってかないだろうから、ショートパンツでも入れるような、すこしこ洒落たbarだろうか?
全体的にモノトーンに決めた女の子に合うようなbarを想像する。そこで彼氏にあって、そのまま次の日の午後まで一緒に居るんだろう。
うらやましい。そのまま想像し続けると仕事にならないし悔しいので、今日は妄想やめておく。

事務所の前のベンチに座って大声で電話をしてるギャルの声が聞こえる。電話相手になったつもりで勝手に会話をするゲームをしてみる。意外と成立するもんだ。

(つづきます)

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1985年横浜生まれ
東京藝術大学美術研究科建築専攻卒業
実は建築にはそんなに興味はなくて困っている
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12-11-19  東京×妄想 ver.23時37分

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